Apple VS Googleという構図に対する違和感 - デジタル小噺

2012年6月11日月曜日

Apple VS Googleという構図に対する違和感


あいもかわらずメディアはApple vs Googleというテーマがお好きなようで。

焦点:激化するアップル・グーグル戦争、カギ握る地図サービス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120611-00000007-reut-bus_all

両社は分野が異なる企業だと思います。なので、両社の対立構造を煽る記事にいつも違和感を感じています。




Googleは本質的に「検索屋」です。まあ最近は「広告屋」にシフトしましたが。それはともかく、Googleはネットの検索トラフィックを増加させることが目的で、そこに広告を載せることで利益を得ています。Googleマップにしろ、Gmailにしろ、Googleドキュメントにしろ、トラフィックを増やすためにサービスを展開していると思います。Android端末にしてもスマホが普及すればトラフィックが増えますし、それでトラフィックが増えれば広告料も増加します。

対するAppleはハード屋というか、システム屋ですね。ハードウェアとコンテンツを売り物として、そのふたつを結びつけるものとしてサービスを展開しています。コンテンツを売るためにハードウェアを展開し、ハードウェアを売るためにサービスを展開するような感じでしょうか。

それぞれで重なる部分があってそこでは衝突しているものの、現段階ではお互いを潰し合うような状況ではないと思います。むしろ、Apple VS Android端末メーカーのほうが正しいかと。極端なことを言えば、GoogleはAndroid端末が売れなくても、Googleを介したネットのトラフィックが増えれば全然OKなのではないでしょうか。もしそうだとしてら、非常にスマートな戦略ですよね。iOS端末とAndroid端末どちらが勝ってもGoogleは生き残る、的な。

しかしAppleの「Siri」によって、その構造が変わりつつあるようにも思えます。Siriは単なる音声サポート機能ではなく、検索ツールという側面も持っています。たとえば、「近所のラーメン屋さんは?」とSiriに聞くと、近くの店を教えてくれます。ここにGoogleプレイスのような評価システムが組み込まれるとどうでしょう。もしくは、宣伝費を払っている店が優先的に表示されればどうでしょう。

iOS端末からの検索トラフィックがGoogleを介さないとすれば、Googleにとっては大きな痛手です。広告主がGoogleよりSiriへの広告出稿を優先する可能性もあります。実際、Googleの会長・エリック・シュミットはSiriはGoogleにとって驚異であるとコメントしています。

Siriはグーグルの検索事業に対する「脅威」--グーグル会長
http://japan.cnet.com/news/business/35010148/

ちょっと話がそれましたが、現段階で「Apple VS Google」という構図は的はずれではないかと思うわけです。いまは局所的なこぜり合いを繰り返しているだけかと。その構図が顕著になるのは、もうちょっと先の話ではないでしょうか。

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